駅勢圏とは
1.駅勢圏データ作成の経緯


流通のクライアントを主な取引先とし、30年にわたって調査に携わってきた経験を

通じて、弊社が確信を持って言えることは、


- 店舗マーケティングの基本・店舗活動の起点は、エリアの規定にある -

 ということです。


弊社の駅勢圏データはこの認識を踏まえたものであり、

「エリア規定」に新しく、かつ有効な視点を提供する、弊社独自の分析データとして

企画したものです。


駅勢圏は名称の通り、駅の勢力圏=その駅を利用する人の比率が高いエリア

を指しますが、駅からの距離や地形、隣接駅や他の交通機関との関係などの諸条件

の影響を受けるため、その範囲を明確に把握することは難しいと考えられてきました。


そのため、これまでの「駅」に関する指標は、

「乗降客数」や「同心円状の距離圏データ」等 が主であり、

勢力圏やその人的ボリューム等を、統一的かつ客観的に描写できる、

いわゆる、使えるデータが無かったといえます。

2.駅勢圏データの特徴

弊社はハフモデルという分析手法を適用することで、駅勢圏の範囲を

より実態に即した、町丁目単位で把握できるという点が大きな特徴です。

この特徴を活かして、駅勢圏に含まれるエリアの様々な

統計指標を「駅勢圏データ」として把握することができます。

また駅勢圏を、駅北口側/駅南口側などとした、

方向別2区分でデータを把握できる点も特徴です。

                                  (注)ハフモデルに関する説明


ハフモデル分析は、首都圏の場合を例にとると、

「1万強の町丁目」と「約1400の駅」との間の「道路距離計測と演算」

という膨大な作業が伴います。

またその際、実態との整合性をとるために、パラメーターという指数を変えてテスト分析

を幾度となく繰り返す必要があります。その為、一企業だけでこれらの作業を行うには、

GISの導入・運用を含めて、大きなコストがかかってしまうことも事実です。


弊社では「高いニーズ」が想定されるこの駅勢圏データを、

「必要とする企業と低コストで分かちあえないか?」

という視点で、統一的で汎用性の高い基本データの作成と、

その仕組みづくりを目指しました。


また弊社では、「駅勢圏データを活用した分析代行」というサービスも用意し、

クライアント企業の実情に合わせた、きめ細かい対応を図っております。


3.駅勢圏データの有効性

エリア規定における新しい視点として、「駅勢圏」を適用することが有効

とされる一例として、オーバーストアによる店舗間競争の激化をあげることができます。

オーバーストアは、消費者にとってみれば、店舗の選択肢が広がることを意味しており、

大型店や特殊な業種店を除くと、明確な動機付けがあって利用するというよりも、

場合や場面に応じてその都度、都合の良い店舗を使い分ける

という利用行動が一般化してきているといえます。


一方、店舗企業側でいえば、従来の「エリア規定」の枠組み(例えば距離圏)で市場

性を判断しようとしても、予測が外れることが多くなるという状況が生じてきます。

つまり、

消費者の購買行動を「日常的な移動や行動」との関連で捉える

という視点が必要とされていることを意味します。


人の日常的な生活行動圏を捉える場合、人が移動する上でのハブ(接点)ないし、

強力なマグネットとして機能している「駅」を起点とするのが妥当であり、

特に通勤通学の手段として、鉄道への依存度が高い首都圏などの都市部では、

「駅勢圏」が購買行動を含む、人の生活行動を規定している

といってもいいのではないのでしょうか。


こうした視点は、特別目新しいものとは言えないでしょうが、先にも述べたように、

今までの「駅」に関する指標としては、乗降客数を除き、使えるデータが無かったことも

また事実です。

このような背景を踏まえて、弊社では統一的基準で作成された、

汎用性とコストパーの高い使える「駅勢圏データ」を目指しました。

また、「少子化による人口の減少・市場の縮小の現実化」や、郊外への大型商業

施設の出店規制強化などを柱とする「まちづくり3法改正」の動きによって、有望な

店舗開発物件をめぐる企業間の獲得競争の激化を促すものと予想されます。 

こうした変化はまた、従来の「スクラップ&ビルド」としたチェーン企業の基本戦略が

簡単には採れなくなってきていることを物語っています。

既存・新規店舗を問わず、新しい視点を加味した「エリアの(再)規定」が、

一層重要となる所以です。